ドイツ・スポーツへの取り組み

ドイツでは、国民の健康のためにできるだけ多くの遊び場や子供から老人まで楽しめるレジャー施設、グランドや体育館などのスポーツ施設を作ろうと、1959年にドイツオリンピック委員会(DOC)が、”ゴールデンプラン”という計画を立てて、15年という長期的なビジョンのもとに、国、州、市町村がそれぞれ資金を負担し、スポーツ施設の充実を図りました。それぞれの町には人口に合った規模のスポーツ施設をつくり、子供からお年寄りまで家族揃って、生涯を通じてスポーツを楽しむことができるようになりました。これによって、ドイツのスポーツ人口は約4倍にも増え、今では国民の6割がスポーツを楽しんでいます。

また、ドイツには地域ごとに”スポーツシューレ”というという充実した施設があり、選手の強化・育成はもちろん、各地のクラブが良い状態で運営されるよう、指導者の養成やクラブ運営に関わる人々の研修などもおこなわれ、様々な分野でサポートする役割を果たしています。スポーツシューレは、緑と湖に囲まれた素晴らしい環境の中にあり、各種競技用グランド、体育館、プールなどのスポーツ施設と、研修がおこなえる多目的ホールや宿泊施設が点在しています。このような施設を持つスポーツシューレはドイツ国内に約15ヶ所あります。 そしてここでは、上に書いた様に、各種スポーツの実践的な指導や選手育成、コーチ養成の研修や会議など、選手の育成強化だけでなく指導者やクラブ運営スタッフを含めた育成が行われており、スポーツの普及・発展に寄与しています。

そして、ドイツサッカーは100年以上の歴史を持ち、国民的スポーツとして定着しています。その頂点にあるブンデスリーガ(1963年設立)は、地域のスポーツクラブとして誕生したものや、企業のサッカークラブとして生まれたものなど、さまざまな歴史を持つ多数のクラブによって構成されています。そして、前述した”ゴールデンプラン”や”スポーツシューレ”という基盤のもとに、地域の誰もがスポーツを楽しめる施設と、選手を育て強化するシステムを充実させながら、地域と密着した形で活動しています。

こうした地域・国レベルの体制に、ドイツサッカーの強さはもちろん、子供からお年寄りまで、健康な人も障害を持つ人も、だれでも分け隔てなく自由にスポーツを楽しめる環境を見る事ができるのです。

資料提供 :日本プロサッカーリーグ