日本独文学会秋季研究発表会(19991016日 於徳島大学)

シンポジウム「コンピューター支援ドイツ語学習(CALL)の現状と展望」

ドイツ語CALLDaFにおける位置付け ―問題点と展望―

境 一三(慶應義塾大学経済学部)

skazumi@hc.cc.keio.ac.jp

http://www.hc.cc.keio.ac.jp/~skazumi

 


 
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1)問題点と展望(近未来的課題と可能性)

 

問題点

展望(近未来的課題と可能性)

ハード面

CALL教室がない。

LL装置とLAN化されたコンピューターが整った大掛かりなCALL教室がなくてもできることはたくさんある。

 

外国語教育に使用可能なコンピューター室がない。

コンピューター室は各大学で整備されつつある。

 

コンピューター室はあるが音声を出すことが禁止されている。

音声が出せないコンピューター室でもできることはある。

 

 

政治的に働きかけ,音声が出せるコンピューター室を作る。(情報系の教員をどう説得するか。)

ソフト面

ソフトを自分で開発する力(時間)がない。

ソフト(特にマルチメディア教材)開発は一人の教員では無理。教員の共同作業,プログラマーとの共同作業を導入する。

 

 

大学横断的にソフトを融通する。

 

どのようなソフトがあるのか分からない(市販CD-ROM教材を含めて)。

CD-ROM教材の評価法を確立し,評価結果をオープンなデータベース化する。

 

ソフトをどのように授業に取り込んだらよいか分からない。

ソフトに関するノウハウを公開し,データベース化する。

研究面

日本におけるCALL研究の立ち遅れ(情報不足)

学問分野として成立させる必要性がる(ドイツ語教育研究の中の一分野として)。

アメリカ合衆国やイギリスでは大学院でCALLを専攻し学位を取ることができる。

 

 

2)CALLの歴史は教授法史とコンピューター史の交点にある。

3)教員の課題

4)歴史から汲み取るべきもの

5)帰納的学習と自立的学習

6)まとめ

 

 


 

文献

朝尾幸次郎,斉藤典明(編)(1996) 『インターネットと英語教育』(英語教育別冊),大修館書店

岩居弘樹 (1997)World Wide Web を利用した語学教材について」,『立命館教育科学研究』第10号,55-77,立命館大学

北尾謙治(監修),野澤和典他(編)(1993)『コンピュータ利用の外国語教育』,英潮社

佐伯胖 (1986)『コンピュータと教育』,岩波新書(332

境 一三 (1996) 「インターネット時代の大学基礎教育」,『成蹊法学』43号,35-63,成蹊大学

境 一三 (1997)「外国語教育に対するハイパーメディア環境の可能性について」,『ドイツ語情報処理研究』97-20,日本ドイツ語情報処理研究会

西垣通 (1997a)(編著訳)『思想としてのパソコン』,NTT出版

野澤和典 (1993)CAI/CAL/CALL/CALLLとは何か」in 北尾・野澤 (1993) 2-10

野澤和典 (1996)「これからのLLCALLin 朝尾・斉藤 (1996) 149-154

村井純 (1995)『インターネット』,岩波新書(416

山田恒夫,足立隆弘,ATR人間情報通信研究所 (1998)『英語リスニング科学的上達法』,講談社ブルーバックス

山田恒夫,足立隆弘,ATR人間情報通信研究所 (1999)『英語スピーキング科学的上達法』,講談社ブルーバックス

        Wyatt, D.H. (1984b), Computers and ESL, Englewood Cliffs, NJ: Prentice Hall


 Copy Right: Kazumi Sakai, 1999